茶を焙じる2013年07月29日

 先日、テレビ番組でほうじ茶を家庭で作る方法をやっていまして。
 それを観たら、ああそういえば前から焙烙が欲しいと思っていたのに買ってなかったなぁと思い出したのです。焙烙。お茶とか、ごまとかを炒るあの焙烙。銀杏を炒る人もいるそうですが、私は家で銀杏を食べる機会があまりないので、お茶とごまです。でもお茶とごまを同じ焙烙で炒ったら匂いが移ってしまうような。
 そんな思い出した気分に動かされて、ネットで焙烙を購入しました。緑の革カバーのついた、小さくて気軽に使えそうな焙烙です。

 などと浮かれていたら、クリックした次の日に、「テレビでほうじ茶が紹介されたために注文が殺到しており、お届けが遅れ云々」という丁重なメールが来た訳ですけどね。ああすみません。テレビが薦めた食べ物がスーパーから消える現象の発生源の一部はここです。

 そんな集団現象を巻き起こしつつ届いた焙烙を使って、今は自分にちょうどいい焙じ加減を探しているところです。
 均一に焙じるのはなかなか大変です。焙烙の保熱力はすごいので、ちょっと気を抜くと底に触れてるところだけがみるみる火が通ってしまいます。

 買ってくるほうじ茶は、カフェインはないけれどストロングな味を楽しむものですが、家で作るほうじ茶は香りを楽しむものです。まだ緑茶の風合いが残っているせいもあって、様々な香りが重なって口に入ってきます。色鉛筆をざらざらっと並べているような、淡く美しいグラデーションが広がるイメージです。

 焙烙も使い込んでいくと、煤がついて育っていき、火の当たりが柔らかくなるのだとか。となると、やはりお茶用とごま用は分けた方がいいような気が、ますますしてくるなぁ。