寒天を入れ忘れた寒天ケーキ2012年11月14日

 私がよくレシピを参考にする料理研究家のひとりが、カノウユミコさんで、植物性食品オンリーのレシピをたくさん出してくださるので助かります。
 そんなカノウさんのオリジナルスイーツレシピのひとつが、ベイクド寒天ケーキで、寒天の力で固めるケーキです。寒天で固めると言ってもゼリーっぽくはなく、オーブンで焼く過程もあり、材料には少しですが小麦粉なども入っていて、クリーミーです。プリンとケーキとババロアと芋羊羹の中間くらい……と言うとますます聞いている方は訳が分からなくなりそうですが(笑)。でもおいしい上に精製炭水化物や脂肪が少ないお菓子なので、たまに作ります。

 で、最近たまたま紅玉りんごとさつまいもが余り気味だったので、この二つを使ってベイクド寒天ケーキを作ろうかと思い立ちまして。蒸し煮したさつまいもとりんご、それにケーキのたねをフードプロセッサーで撹拌して、耐熱皿に流し込んで焼くだけ。手軽でおいしくて言うことなしです。
 焼き上がるまで、上機嫌で洗濯物など干してまして、最後にハンドタオルをピンチで挟んでいた時に、気づきました。ケーキのたねに、寒天パウダーを入れ忘れたことに。

 ベイクド「寒天」ケーキで寒天を忘れるとは何事か!
 これはもう、パンケーキのたねにベーキングパウダーを忘れるくらい、シフォンケーキのたねにメレンゲを入れるのと忘れるくらいの大ポカですぞ! ハンガーを手に持ったまま乾いた笑いが本当に出てしまいました。
 ほどなく焼き上がり時間になりまして。実際にはオーブンで焼くことで寒天の成分を溶かして全体になじませ、冷蔵庫で1時間ほど冷やすことでケーキを固めて完成なのですが、まあそんな訳でどんな状態になっているかと恐る恐る引っ張り出しました。

 お菓子の女神は我を見捨てなかった。幸い今日のケーキは、りんごとさつまいもが中身だったので、さつまいものでんぷん成分が全体になじんだことで、ケーキほどの固さは無理でしたが、やわらかプリンくらいの固さをぎりぎり保持することができました。
 寒天は、当然ながら味には影響しないので、すくって食べられる程度の固ささえあれば、何とか食べられます。
 そんな訳で、今日のおやつはベイクド寒天ケーキではなく、りんごとさつまいものプディング風の何か、になりました。味は悪くなかったです。まだ紅玉とさつまいもは残っているので、後日リベンジするといたします……。