松竹梅2006年10月05日

アメリカの古書業界では、本の保存状態を示すのに
good, very good, near fine, fine, very fine, excellent
という単語が使われ、順によくなっていくらしい。つまりexcellentが最高、goodは一番下ということだ。グッドがグッドじゃないというのも、奇妙な話だけど、寿司屋の上と特上があるみたいなものなんだろう。

私はamazonのマーケットプレイスを時々利用する。これも、売買の後に出品者を評価しなくてはならないのだけど、同じような問題に直面する。
星5つで採点し、最高が星5、最低が星1なのだが、大抵の場合は「星5」をつけるのが普通らしいのだ。大半の業者や出品者が、星が4.5から5なのを見れば、明らかである。
でも、本来は星5というのは、何かものすごく特別によいことがあった時にとっておきたいもので、「注文しました、期限以内に本が届きました、梱包も普通にしてありました、本も言った通りの品でした、はい終わり」という場合は、本当は星3つとか4つにしておきたい。そうでなければ、何か特別にサービスのよい出品者への評価ができなくなってしまう。
でもこういうものは、自分ひとりの評価という側面とともに、評価基準を共有するという側面も持っているから、みんなが「当たり前に良かった場合を5にする」となっているのなら、ある程度はそれに合わせなくてはなるまい。……で、結局大半の出品者は星5つとなって、あとは価格の競争になってしまうという次第だ。

差別化というのは、難しいものなのだなぁ。と、平凡な感想がくるくると頭の回りを回る、雨降る夕方である。

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