研究室 ― 2010年04月03日
軽鴨の君が、東京大学の遠藤秀紀教授にお会いする機会があったので、おまけにしてもらってついていきました。
遠藤教授は「パンダの死体はよみがえる」「人体 失敗の進化史」などを執筆なさっている、動物形態や解剖学の研究者です。
先日「ニワトリ 愛を独り占めにした鳥」という新刊を出版されました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4334035493/
色々お聞きしようと思っていたことがあったのですが、私はオマケ扱いですし、私自身はあまり会話がうまくないですし、という訳でお話のほとんどは軽鴨の君の担当です。
東京大学博物館のバックヤードも見学させていただきました。キリンの骨が並ぶプラスチックの箱、鳥の羽、死体を煮て骨を取り出す釜、標本を組み立てる彫金細工のような道具の数々。
動物の骨というのは荘厳な気をただよわせていて、かつて人類が己の非力を嘆き他の動物を神に近い存在として崇めてきた気持ちが、とてもよくわかります。キリンの脚の骨は想像以上に重たいものでした。簡単に振り回せるものではなかったです。
研究の場というのに足を踏み入れるのは、大学院を離れて以来でしたが、やはり独特の空気です。それはある種の冷たさであり、同時にある種の温かさでもあります。とても雑多な色を帯びた空気ですが、色調が統一されているような感じでしょうか。
どうもこれは、研究のジャンルや系列に関係なく、ある一定のものであるようです。
遠藤教授は「パンダの死体はよみがえる」「人体 失敗の進化史」などを執筆なさっている、動物形態や解剖学の研究者です。
先日「ニワトリ 愛を独り占めにした鳥」という新刊を出版されました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4334035493/
色々お聞きしようと思っていたことがあったのですが、私はオマケ扱いですし、私自身はあまり会話がうまくないですし、という訳でお話のほとんどは軽鴨の君の担当です。
東京大学博物館のバックヤードも見学させていただきました。キリンの骨が並ぶプラスチックの箱、鳥の羽、死体を煮て骨を取り出す釜、標本を組み立てる彫金細工のような道具の数々。
動物の骨というのは荘厳な気をただよわせていて、かつて人類が己の非力を嘆き他の動物を神に近い存在として崇めてきた気持ちが、とてもよくわかります。キリンの脚の骨は想像以上に重たいものでした。簡単に振り回せるものではなかったです。
研究の場というのに足を踏み入れるのは、大学院を離れて以来でしたが、やはり独特の空気です。それはある種の冷たさであり、同時にある種の温かさでもあります。とても雑多な色を帯びた空気ですが、色調が統一されているような感じでしょうか。
どうもこれは、研究のジャンルや系列に関係なく、ある一定のものであるようです。
雨 ― 2010年04月05日
雨の一日。雨は外に出かけなくていい(と自分が思う)ので好きです。うらうらとお出かけ日和の時の方が、気は滅入ります。
要するに、外界と自分のギャップがあるから疲労感が募るのであって、外界が自分と同じ状態であれば、少なくとも疲労はせずに済む訳です。こういう理由で他人を意識的に不幸にする人というのは、結構いそうな気がします。特に、幸福が限られていたり、自分が歩いていくには遠すぎるところにあるように見えたりする時には。
人の幸福を喜ぶというのは、自分が幸福であれば簡単にできることで、自分が沈んでいる時に他人の幸せを祝福するというのは、難事です。たぶん、昔から祝福というものが神様のしもべの役割であるのは、そういう理由もあるのでしょう。
桜が満開でしたが、この雨で散り始めたことでしょう。明日は晴れて暖く、明後日はまた寒くなるとか。アップダウンが多い天候は、それはそれで疲労の種です。
要するに、外界と自分のギャップがあるから疲労感が募るのであって、外界が自分と同じ状態であれば、少なくとも疲労はせずに済む訳です。こういう理由で他人を意識的に不幸にする人というのは、結構いそうな気がします。特に、幸福が限られていたり、自分が歩いていくには遠すぎるところにあるように見えたりする時には。
人の幸福を喜ぶというのは、自分が幸福であれば簡単にできることで、自分が沈んでいる時に他人の幸せを祝福するというのは、難事です。たぶん、昔から祝福というものが神様のしもべの役割であるのは、そういう理由もあるのでしょう。
桜が満開でしたが、この雨で散り始めたことでしょう。明日は晴れて暖く、明後日はまた寒くなるとか。アップダウンが多い天候は、それはそれで疲労の種です。
植物性乳酸菌ヨーグルト ― 2010年04月06日
らでぃっしゅぼーやで、植物性乳酸菌のヨーグルトが出たので、試してみました。
すぐき漬けから取り出した乳酸菌ということで、たぶんあのラブレの親戚ですね。新製品なので説明の紙がついていて……なになに……「漬物に似た風味があります」……。
パックを開けて香りを確かめてみると、確かに慣れたヨーグルトの香りというのとは少し違った風味です。
砂糖のみ、香料すら使ってない製品なので、香りがよくわかります。酸味はそんなにありません。もったりとした風味があります。何かに似てるな……。ああ、豆乳作ったヨーグルトに似ています。牛乳くささがなくなって、新しい風味に。
ただ、普通のヨーグルトとはかなり違った風味に仕上がっているので、普通のヨーグルトを期待して食べるとかなりびっくりしそうです。
そう考えると、ラブレの口当たりのよさというか、あれを一般受けする味に仕上げてきたカゴメさんはおそるべしということなのでしょうか。
私はどっちも好きなので、しばらく両方味わおうかなと思ってます。
すぐき漬けから取り出した乳酸菌ということで、たぶんあのラブレの親戚ですね。新製品なので説明の紙がついていて……なになに……「漬物に似た風味があります」……。
パックを開けて香りを確かめてみると、確かに慣れたヨーグルトの香りというのとは少し違った風味です。
砂糖のみ、香料すら使ってない製品なので、香りがよくわかります。酸味はそんなにありません。もったりとした風味があります。何かに似てるな……。ああ、豆乳作ったヨーグルトに似ています。牛乳くささがなくなって、新しい風味に。
ただ、普通のヨーグルトとはかなり違った風味に仕上がっているので、普通のヨーグルトを期待して食べるとかなりびっくりしそうです。
そう考えると、ラブレの口当たりのよさというか、あれを一般受けする味に仕上げてきたカゴメさんはおそるべしということなのでしょうか。
私はどっちも好きなので、しばらく両方味わおうかなと思ってます。
文体診断 ― 2010年04月09日
アサブロのテンプレートに、なかなか好みのものが登場したので、テンプレートを変えてみました。私はこういう植物のデザインに弱いです。
Twitterで友人がやっていたので、「文体診断ロゴーン」なるものを試してみました。
http://logoon.org/
文章を入力すると、それを自動分析して、近い文体の作家さんや、文章の読みやすさなどを診断するものです。基本的に数値分析(ひらがな/漢字の比率や形態素解析)なので、内容は関係ありません。あくまで文体の、数字で表せる部分の話です。
以前書いた小説のラスト80行ほどを診断した結果は
文章の読みやすさ A とても読みやすい
文章の硬さ C 文章がやや硬い
文章の表現力 A とても表現力豊か
文章の個性 A とても個性的
でした。おお、気分がいいぞ。普段あんまり褒められる場面がないので、勝手に盛り上がります。
このブログのエントリを1つ取り出して診断してみると、
文章の読みやすさ C 適切
文章の硬さ D 文章が柔かい
文章の表現力 A とても表現力豊か
文章の個性 D やや平凡
となりました。いきなり平凡です。エントリによってかなり結果はばらつくので、面白いところです。
一致指数の高い作家さんには、井上ひさしや太宰治、海野十三などがあがっていました。逆に一致指数が低いのは、岡倉天心。
井上ひさしは、とても小さい頃に「ブンとフン」をかなり繰り返し読んだ記憶があるので、無意識に影響されている部分があると思います。
太宰治は、どうにも人間として好きになれないのですが、同族嫌悪のきらいがあるのかも知れませんね……。あの人間失格な感じが……。
海野十三の著作は、そういえば読んだことがありませんでした。せっかくだから、何か探して読んでみるかなぁ。
と、まぁ、今日は他愛もない話でした。
Twitterで友人がやっていたので、「文体診断ロゴーン」なるものを試してみました。
http://logoon.org/
文章を入力すると、それを自動分析して、近い文体の作家さんや、文章の読みやすさなどを診断するものです。基本的に数値分析(ひらがな/漢字の比率や形態素解析)なので、内容は関係ありません。あくまで文体の、数字で表せる部分の話です。
以前書いた小説のラスト80行ほどを診断した結果は
文章の読みやすさ A とても読みやすい
文章の硬さ C 文章がやや硬い
文章の表現力 A とても表現力豊か
文章の個性 A とても個性的
でした。おお、気分がいいぞ。普段あんまり褒められる場面がないので、勝手に盛り上がります。
このブログのエントリを1つ取り出して診断してみると、
文章の読みやすさ C 適切
文章の硬さ D 文章が柔かい
文章の表現力 A とても表現力豊か
文章の個性 D やや平凡
となりました。いきなり平凡です。エントリによってかなり結果はばらつくので、面白いところです。
一致指数の高い作家さんには、井上ひさしや太宰治、海野十三などがあがっていました。逆に一致指数が低いのは、岡倉天心。
井上ひさしは、とても小さい頃に「ブンとフン」をかなり繰り返し読んだ記憶があるので、無意識に影響されている部分があると思います。
太宰治は、どうにも人間として好きになれないのですが、同族嫌悪のきらいがあるのかも知れませんね……。あの人間失格な感じが……。
海野十三の著作は、そういえば読んだことがありませんでした。せっかくだから、何か探して読んでみるかなぁ。
と、まぁ、今日は他愛もない話でした。
擦過傷 ― 2010年04月10日
今日は色々と外出の予定です。大変だ。普段あまり家を出ない生活をしているので、たまに外出の予定が入ると、それだけですごく気力を消耗します。楽しい予定であってもです。今日はちょっと気が重いというか、緊張するタイプの用事なので、なおのこと。
加えて、どうもこのところ眠りが浅いというか、熟睡感がなく、年がら年中眠いです。
心象風景として、つまらないことがとげのように刺さったり、紙やすりでざらざら擦られたりしているような気分なのですが、それでもお鳥様がのんびりとくつろいでいる光景などに安らぐ、という繰り返しです。
加えて、どうもこのところ眠りが浅いというか、熟睡感がなく、年がら年中眠いです。
心象風景として、つまらないことがとげのように刺さったり、紙やすりでざらざら擦られたりしているような気分なのですが、それでもお鳥様がのんびりとくつろいでいる光景などに安らぐ、という繰り返しです。
数時間滞在 ― 2010年04月12日
土日とも、ずっと外出でした。なかなかいい天気で、最後のお花見日和でしたね。今日は朝から雨で、これで桜も散ることでしょう。
外出があると、楽しい外出でも疲労するのですが、その日はまだ緊張が続いているせいか、わかりやすい疲労は今日みたいな後日にどっと出ることが多いです。あれこれと、失敗や後悔が脳裏をよぎって滅入ります。
外出のついでに寄ったセブンイレブンで、リクルートが発行している、シティホテルの日帰りステイプランのガイドがあって、つい衝動買いしてしまいました。
外出した先で一息休憩、と思っても、カフェやコーヒーチェーン店は混雑していますし、街は座るところがないですし、確かにホテルで数時間のんびりできたら楽しいかもなぁと思います。普通のホテルで日帰りステイのプランがあるとは知らなかったので、見ていると面白いですね。
ビジネスの商談でホテルの部屋を利用するようなこともあるらしいので、何人かの友達とかで、のんびりおしゃべりするという使い方も、そのうち現れてくるのかも知れません。
唯一の難点は、このガイドブックのタイトルが「恋する日帰りホテル」で、ターゲットがアレでソレなので、その、一瞬そういう方面のホテルの特集なのかと思ってしまったことでしょうか……。実際は京王プラザホテルとか、リッチモンドホテルとか、シティホテルや少しランクの高いビジネスホテルが対象でした。
外出があると、楽しい外出でも疲労するのですが、その日はまだ緊張が続いているせいか、わかりやすい疲労は今日みたいな後日にどっと出ることが多いです。あれこれと、失敗や後悔が脳裏をよぎって滅入ります。
外出のついでに寄ったセブンイレブンで、リクルートが発行している、シティホテルの日帰りステイプランのガイドがあって、つい衝動買いしてしまいました。
外出した先で一息休憩、と思っても、カフェやコーヒーチェーン店は混雑していますし、街は座るところがないですし、確かにホテルで数時間のんびりできたら楽しいかもなぁと思います。普通のホテルで日帰りステイのプランがあるとは知らなかったので、見ていると面白いですね。
ビジネスの商談でホテルの部屋を利用するようなこともあるらしいので、何人かの友達とかで、のんびりおしゃべりするという使い方も、そのうち現れてくるのかも知れません。
唯一の難点は、このガイドブックのタイトルが「恋する日帰りホテル」で、ターゲットがアレでソレなので、その、一瞬そういう方面のホテルの特集なのかと思ってしまったことでしょうか……。実際は京王プラザホテルとか、リッチモンドホテルとか、シティホテルや少しランクの高いビジネスホテルが対象でした。
訃報 ― 2010年04月13日
わが家に遊びに来ていただいた方にはおなじみの、皆様に愛された天から降りてきたわが家のお鳥様ですが。
本日11:45頃、天から女神様のお迎えが来て、彼岸への橋を渡りました。
享年10歳と9ヶ月。今年の夏で11歳になるところでした。
小鳥としてはかなりの高齢だったので、そろそろ体も少し弱って来ているかなという雰囲気を感じていましたが、
昨日の夕方私の不注意で不慮の事故に遭い、すぐに病院に連れて行き手当てをしていただいたものの、ショックが大きかったようで、衰弱から戻らず、最期は私の手の中で少しだけ砂糖水を飲んで息を引き取りました。
若くて元気な個体ならば死ぬほどの事故ではなかったようですが、見た目にはわからずともかなりの高齢だった彼には、こたえたようです。
事故の原因は私の不注意で、病院に連れて行く時も雨が降っていて徒歩だったことや、抗生物質や砂糖水をもっとたくさん与えておけばよかっただろうかとか、明け方に仮眠せずにもっとこまめに砂糖水を与えておけばよかっただろうかとか。
今は落ち着いていないこともあり、後悔ばかりが残ります。
ただ、本来は野鳥で、もともと猫に襲われているところを、友人のもけさんに拾われて助かった鳥なので、
野生であれば恐らくはこれほど長くは生きられなかっただろうことや、
事故の直前まで元気でくつろぎ、好物のバナナなどを食べていたこと、
最期はあまり苦しまず、看取ることができたことなど、
幸せな生涯であったと思いたいです。
いわゆるコンパニオンバードというよりも、まるで私のことを
太陽のごとく、常に当たり前にいる当然の環境のように思っていたわがまま気ままなお鳥様でしたが、彼なりの愛情と信頼を向けてもらえた幸福な記憶は、私の生涯の最後まで残るでしょう。
天からお借りした存在でしたので、天に帰って必要な役目を果たすべく呼ばれたのだと思います。
拾ってくれたもけさんや、病院を探しくれたくろねこさん、わが家を空けないといけないときに代わりに餌やリなどをしてくれた草くん、本来なら営業範囲外であろう野鳥を診察し、最期まで優しくアドバイスをしてくださったO動物病院の獣医師さんには、感謝の言葉もありません。
本日11:45頃、天から女神様のお迎えが来て、彼岸への橋を渡りました。
享年10歳と9ヶ月。今年の夏で11歳になるところでした。
小鳥としてはかなりの高齢だったので、そろそろ体も少し弱って来ているかなという雰囲気を感じていましたが、
昨日の夕方私の不注意で不慮の事故に遭い、すぐに病院に連れて行き手当てをしていただいたものの、ショックが大きかったようで、衰弱から戻らず、最期は私の手の中で少しだけ砂糖水を飲んで息を引き取りました。
若くて元気な個体ならば死ぬほどの事故ではなかったようですが、見た目にはわからずともかなりの高齢だった彼には、こたえたようです。
事故の原因は私の不注意で、病院に連れて行く時も雨が降っていて徒歩だったことや、抗生物質や砂糖水をもっとたくさん与えておけばよかっただろうかとか、明け方に仮眠せずにもっとこまめに砂糖水を与えておけばよかっただろうかとか。
今は落ち着いていないこともあり、後悔ばかりが残ります。
ただ、本来は野鳥で、もともと猫に襲われているところを、友人のもけさんに拾われて助かった鳥なので、
野生であれば恐らくはこれほど長くは生きられなかっただろうことや、
事故の直前まで元気でくつろぎ、好物のバナナなどを食べていたこと、
最期はあまり苦しまず、看取ることができたことなど、
幸せな生涯であったと思いたいです。
いわゆるコンパニオンバードというよりも、まるで私のことを
太陽のごとく、常に当たり前にいる当然の環境のように思っていたわがまま気ままなお鳥様でしたが、彼なりの愛情と信頼を向けてもらえた幸福な記憶は、私の生涯の最後まで残るでしょう。
天からお借りした存在でしたので、天に帰って必要な役目を果たすべく呼ばれたのだと思います。
拾ってくれたもけさんや、病院を探しくれたくろねこさん、わが家を空けないといけないときに代わりに餌やリなどをしてくれた草くん、本来なら営業範囲外であろう野鳥を診察し、最期まで優しくアドバイスをしてくださったO動物病院の獣医師さんには、感謝の言葉もありません。
死が我らを別つとも ― 2010年04月14日
目が覚めても、ごはんを出せという鳴き声もなく、水入れの水を取り換えようとしても指を齧られることもなく、食べ物を外に出していてもくちばしを突っ込まれることもない、朝。
70gに満たない小さなふくふくしたあの存在が、わが家のすみずみまで、温かい空気を満たしていたことが、今さらながらに実感されます。
部屋の中は静かで、温度が低くて、ため息が降り積もります。
思考は今も同じようなところを行きつ戻りつ。
後悔と、追憶と。
小鳥として、年に不足はない高齢ではあったけれど。
それでも、ね、やっぱり。
私たちは、もう少し、君と一緒に暮らしていたかったよ。
叶うものならば、ずっと。
君はいま、飛ぶことのなかった大空を羽ばたき、大好きだったのに食べちゃだめと怒られていたチョコレートなどつつき、天界のいちごや柿をついばみながら、私たちが来るのを待っているのだろうか。
もしも私たちが、彼岸に行く時が来たら、その時は君がお迎えに来てくれることを、祈り願い、信じているよ。そうしたら、君のあの美しい黒灰色と茶色の羽根と、ぼさぼさの頭と、鋭くもつぶらな瞳に、また出会うことができるだろう。
70gに満たない小さなふくふくしたあの存在が、わが家のすみずみまで、温かい空気を満たしていたことが、今さらながらに実感されます。
部屋の中は静かで、温度が低くて、ため息が降り積もります。
思考は今も同じようなところを行きつ戻りつ。
後悔と、追憶と。
小鳥として、年に不足はない高齢ではあったけれど。
それでも、ね、やっぱり。
私たちは、もう少し、君と一緒に暮らしていたかったよ。
叶うものならば、ずっと。
君はいま、飛ぶことのなかった大空を羽ばたき、大好きだったのに食べちゃだめと怒られていたチョコレートなどつつき、天界のいちごや柿をついばみながら、私たちが来るのを待っているのだろうか。
もしも私たちが、彼岸に行く時が来たら、その時は君がお迎えに来てくれることを、祈り願い、信じているよ。そうしたら、君のあの美しい黒灰色と茶色の羽根と、ぼさぼさの頭と、鋭くもつぶらな瞳に、また出会うことができるだろう。
荼毘 ― 2010年04月15日
今日、お鳥様のなきがらを天にお返ししてきました。
動物病院でご紹介いただいた、府中の慈恵院さまには、大変丁寧にご供養をいただきました。
やわらかなお鳥様のからだは、かごの中で、大好きだった苺や、豆苗や、五分餌や、中に入っているベリーをつつくのがお好みだったクランベリーパンや、大好きだったのに食べてはいけなかったチョコレートや、手向けていただいた花に囲まれて、今もなおつややかでふわりとした自慢の羽根に包まれて、魂の後を追って旅立ってゆきました。
お骨は小さく、とても華奢で。炎色反応なのか、翼の骨はかすかに緑色かかって。
お骨になると、少し気持ちが落ち着くものだという話をどこかで聞いて。
確かにその通りで。
それでも花に包まれたなきがらを思い出すと、今も視界がぼやけてきますけれど。
亡くなる直前、お鳥様は一瞬だけ、まるでいつもの元気な時の、ただちょっと寝ぼけているような顔になって、首を動かしてこちらを見て、かすかに、ほんとうにかすかに鳴いたようで。
不思議なものですね。
事故に遭って病院に連れて行く道すがら、私は、どうか連れて行かないでください、私の命の半分を差し出しても悔いませんから、どうか、と神様にお願いをし続けていたのですが、神様は私ではなくお鳥様の方に用事があったようで、その願いは叶えていただけず。
その代わりに、最期のあの優しい顔を向けてくれる時間をくださったのだろうと、今は思います。
たぶん、私は泣いたり呆然としたり悔やんだりしながらも、明日から毎日の、普通の暮らしに戻って、笑ったり空を見上げたり喜んだりするでしょう。
とても静かな部屋に慣れるには、まだ少し時間がかかりそうですけれど。がんばって生きてゆきます。
最後に。
私よりも大きな悲しみを抱えているはずなのに、呆然として何も手に付かずにいる私の代わりに、様々な手続きをこなして万事をまとめ、手配をしてくれた軽鴨の君に、本当にありがとう。お鳥様はあなたが、本当に大好きでした。きっと今も喜びながら、さえずっていると思います。
動物病院でご紹介いただいた、府中の慈恵院さまには、大変丁寧にご供養をいただきました。
やわらかなお鳥様のからだは、かごの中で、大好きだった苺や、豆苗や、五分餌や、中に入っているベリーをつつくのがお好みだったクランベリーパンや、大好きだったのに食べてはいけなかったチョコレートや、手向けていただいた花に囲まれて、今もなおつややかでふわりとした自慢の羽根に包まれて、魂の後を追って旅立ってゆきました。
お骨は小さく、とても華奢で。炎色反応なのか、翼の骨はかすかに緑色かかって。
お骨になると、少し気持ちが落ち着くものだという話をどこかで聞いて。
確かにその通りで。
それでも花に包まれたなきがらを思い出すと、今も視界がぼやけてきますけれど。
亡くなる直前、お鳥様は一瞬だけ、まるでいつもの元気な時の、ただちょっと寝ぼけているような顔になって、首を動かしてこちらを見て、かすかに、ほんとうにかすかに鳴いたようで。
不思議なものですね。
事故に遭って病院に連れて行く道すがら、私は、どうか連れて行かないでください、私の命の半分を差し出しても悔いませんから、どうか、と神様にお願いをし続けていたのですが、神様は私ではなくお鳥様の方に用事があったようで、その願いは叶えていただけず。
その代わりに、最期のあの優しい顔を向けてくれる時間をくださったのだろうと、今は思います。
たぶん、私は泣いたり呆然としたり悔やんだりしながらも、明日から毎日の、普通の暮らしに戻って、笑ったり空を見上げたり喜んだりするでしょう。
とても静かな部屋に慣れるには、まだ少し時間がかかりそうですけれど。がんばって生きてゆきます。
最後に。
私よりも大きな悲しみを抱えているはずなのに、呆然として何も手に付かずにいる私の代わりに、様々な手続きをこなして万事をまとめ、手配をしてくれた軽鴨の君に、本当にありがとう。お鳥様はあなたが、本当に大好きでした。きっと今も喜びながら、さえずっていると思います。
少しずつ ― 2010年04月16日
少しずつ、少しずつ。いつもの日常に、自分を戻す。
明日から私用で大阪に行くので、その準備をしてます。一泊なのに、意外と荷物が多くなってしまいますね。もう少し、荷物を減らしたいのですけれど。
準備をする一方で、ごはんを食べたり、疲れたら丸くなって眠ったり。無理せずにね、という軽鴨の君や周りの皆様の言葉に甘えて、のんびりとやっています。
笑ったり、軽口を叩いたり、空を見上げたり、しています。今もちょっとした時に、後悔が迫ったりもしますけれど、そんな時はお鳥様は許してくれただろうと、思います。
次に向こうで会う時に、笑顔でいられるように、今日もさとみんは、元気にやっております。
明日から私用で大阪に行くので、その準備をしてます。一泊なのに、意外と荷物が多くなってしまいますね。もう少し、荷物を減らしたいのですけれど。
準備をする一方で、ごはんを食べたり、疲れたら丸くなって眠ったり。無理せずにね、という軽鴨の君や周りの皆様の言葉に甘えて、のんびりとやっています。
笑ったり、軽口を叩いたり、空を見上げたり、しています。今もちょっとした時に、後悔が迫ったりもしますけれど、そんな時はお鳥様は許してくれただろうと、思います。
次に向こうで会う時に、笑顔でいられるように、今日もさとみんは、元気にやっております。
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