批判2008年06月15日

 仕事を選ぶうえでもっとも大切なものは何かと言えば、それは自分より有能な人々を批判する機会だ。この手の仕事は満足感があると同時に容易でもある。
(スコット・アダムス)
 役に立つ批評というものは、最終的には、わたしたちの作品に欠けていたパズルのピースを提供してくれるものだ。
 役に立たない批評というのはその対極にあるもので、やりこめられたような思いしか抱かせないようなものだ。
(ジュリア・キャメロン)
 誰かが何かをした、そのことについて自分の考えや感情を記述する(それを批評や批判と言ってもいい)ことは、創造に比べて恐ろしく容易にも関わらず、手軽に満足感が得られるという意味では、麻薬的だと思う。
 自分の文章を振り返ってみると、そんな内容ばかりで、嫌になってくる。
 わずかなりとも批評や批判に近しい文章を書く時には、せめて、目の前にその対象がいて、対象が快く納得できるように書きたいと心がけているけれど、悲しいかな器が小さい私は、よくそれを忘れてひどく攻撃的な文章を書いてしまう。
 相手は悪意に反応して、さらなる悪意で返してくるから、大抵の場合、悪意に対する耐性の低い私が先にめげて、弱ってしまう。自業自得とはまさにこのことで、己以外の誰を責められることでもない。

 自分は安全なところにいて、他人のやることを好き勝手につまんで批判するのは、労力がいらない割に何か立派なことをしたような満足感だけは味わえる。毎日の会話なんて、誰がどうしたから私はこう思ったとか、そんなことの繰り返しで、毎日の会話をそのまま持ち込んだものであるネットの会話というものも、そんなことの繰り返しだ。
 本当に創造的であれば、批判なんてしている暇はどこにもないだろう。
 だから、私は他人のやることや他人の言葉にひっかかる時、自分が自分の創造性をかまってやらずに放置しているのだと思い知る。

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