便利箱 ― 2009年10月05日
萌えって、要するに「もののあはれ」とおんなじようなものなのかなぁ、と時々思うのです。何だか色々な人に色々と怒られそうな考えですけれど。
そんなことを思ったのは、何かというと萌えが連呼されるネットの文章を見ていると、萌えというのは実に便利な、「何かこんな感じの気持ちのひとかたまり」を適当に放り込んで差し出して、受け取る方も適当に受容できる部分だけつまみ食いして、何となく共感したような感じになれる、そういう箱だなぁと思ったからです。
そう言うと、いかにも、近頃の若者の貧しい言葉だの、そういった話になってしまいそうですけれど、思うに「もののあはれ」とか「あはれ」とかいう単語だって、そんな程度のものだったんじゃなかろうかと。
最初からそうだったってことはないでしょうけれど、「あはれ」のような、言いがたいしみじみと胸に迫ってくる感覚、なんて定義は、表現を省いて適当に感情を突っ込んでやりとりするのに実に便利な代物で。
あの源氏物語だって、いとあはれなり、が何回使われているのか知りませんが、紫式部とていつも100%で執筆ができたはずもなく、精査していくと結構な頻度で、そういう「めんどくさいからとりあえずあはれ」で済ましちゃった部分が出てくるような気がします。
「あはれ」って、何かを表現しているようで実は何にも表現していない、という側面があると思いませんか。どうでしょ。
私の中では、萌えと「あはれ」は(たぶんあまりよくない部分で)結構共通していて、だからたぶん、萌え系世界観も源氏物語も、あんまり惹かれるところがないのでしょう。
じゃあ何で美形てんこもりのFFシリーズが好きなんですかと訊かれそうですが、まぁその話はまた別の時にでも。
そんなことを思ったのは、何かというと萌えが連呼されるネットの文章を見ていると、萌えというのは実に便利な、「何かこんな感じの気持ちのひとかたまり」を適当に放り込んで差し出して、受け取る方も適当に受容できる部分だけつまみ食いして、何となく共感したような感じになれる、そういう箱だなぁと思ったからです。
そう言うと、いかにも、近頃の若者の貧しい言葉だの、そういった話になってしまいそうですけれど、思うに「もののあはれ」とか「あはれ」とかいう単語だって、そんな程度のものだったんじゃなかろうかと。
最初からそうだったってことはないでしょうけれど、「あはれ」のような、言いがたいしみじみと胸に迫ってくる感覚、なんて定義は、表現を省いて適当に感情を突っ込んでやりとりするのに実に便利な代物で。
あの源氏物語だって、いとあはれなり、が何回使われているのか知りませんが、紫式部とていつも100%で執筆ができたはずもなく、精査していくと結構な頻度で、そういう「めんどくさいからとりあえずあはれ」で済ましちゃった部分が出てくるような気がします。
「あはれ」って、何かを表現しているようで実は何にも表現していない、という側面があると思いませんか。どうでしょ。
私の中では、萌えと「あはれ」は(たぶんあまりよくない部分で)結構共通していて、だからたぶん、萌え系世界観も源氏物語も、あんまり惹かれるところがないのでしょう。
じゃあ何で美形てんこもりのFFシリーズが好きなんですかと訊かれそうですが、まぁその話はまた別の時にでも。
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