数値集合体 ― 2006年10月02日
ゲームがわりと好きで、ファイナル・ファンタジーのオンラインゲームをやっている。一応現在進行形で、キャラクターはいるし、毎月課金も払っているが、最近はなかなかログインできない。
オンラインゲームは、普通のデジタルゲームと同じく敵を倒す戦闘ゲームの要素が強いのが普通だが、多かれ少なかれそこに生活というフレーバーが付け加えられる。ただただ武器を振り回して敵を倒すコナン・ザ・グレートみたいなキャラクターとしてプレイすることもできるけれど、その世界の中で暮らす人間として、たとえば薬を作る技術を磨いて「私は薬師なんだ」とイメージするプレイをする、なんてこともできる。
そういう意味では、普通のデジタルゲームよりも自由度の高いプレイスタイルを選択できる……ということに、なっている。
けれど、そういったいわば「生産者」みたいなプレイをするのはなかなか大変で、特にゲームの中では生産されるモノは言ってしまえばパラメータの塊でしかないから、誰が作っても同じモノができ、そこには区別が存在しない。せいぜい価格で差をつけるしかないので、生産者(あるいは商人や流通業)を営むとしたら、基本的には効率を追求して値下げ競争に勝つ、ぐらいしかない。
まあ、オンラインゲームは本質的に、「長時間ログインして長時間懸命にプレイして長時間作業を繰り返すことに耐えたプレイヤーに幸がある」タイプの遊戯だから、それに対して文句を言うのはお門違いだと思う。野球で一生懸命練習したプレイヤーが強くなることに対して文句を言うのが、愚かとしか言いようがないことであるように。
ただ、そういった場面に出くわした時、「ああいかにもパラメータを相手にしている遊戯だなぁ」という興ざめ感覚があるのもまた事実だ。
どんなに美しいグラフィックで描かれた異世界の驚異的な風景があろうと、異形でありながらリアルなモンスターが登場しようと、現実では不可能な技が炸裂しようと、私は不意に、「これは結局数字の移動に過ぎない」と気分が冷えていくのを感じる。
この幻滅に近い感覚は、似たようなものであるはずのテーブルトークのRPGではどんなに拙いマスタリングであろうと感じないことが多いし、また不思議なことにオフラインのゲームでは全くと言っていいほど感じない。その理由は、恐らく二者では微妙に異なっているだろうけれど。
全部をプレイなどしていないから偉そうなことは言えないことは承知の上であえてひとつだけ言うとしたら、現状のオンラインゲームはまだ、独自の面白さを生かしている訳ではないんだろうな、という感想である。チャットを伴う大規模なパラメータ変動の渦に還元しきれない「何か」、が私には感じられない。
それを求めているのが、ひょっとして世界に私しかいないとしたら……そんなことを悩むのは、それこそサッカーで「手が使えないからつまらない」とぼやくようなものかも知れないけれど。
オンラインゲームは、普通のデジタルゲームと同じく敵を倒す戦闘ゲームの要素が強いのが普通だが、多かれ少なかれそこに生活というフレーバーが付け加えられる。ただただ武器を振り回して敵を倒すコナン・ザ・グレートみたいなキャラクターとしてプレイすることもできるけれど、その世界の中で暮らす人間として、たとえば薬を作る技術を磨いて「私は薬師なんだ」とイメージするプレイをする、なんてこともできる。
そういう意味では、普通のデジタルゲームよりも自由度の高いプレイスタイルを選択できる……ということに、なっている。
けれど、そういったいわば「生産者」みたいなプレイをするのはなかなか大変で、特にゲームの中では生産されるモノは言ってしまえばパラメータの塊でしかないから、誰が作っても同じモノができ、そこには区別が存在しない。せいぜい価格で差をつけるしかないので、生産者(あるいは商人や流通業)を営むとしたら、基本的には効率を追求して値下げ競争に勝つ、ぐらいしかない。
まあ、オンラインゲームは本質的に、「長時間ログインして長時間懸命にプレイして長時間作業を繰り返すことに耐えたプレイヤーに幸がある」タイプの遊戯だから、それに対して文句を言うのはお門違いだと思う。野球で一生懸命練習したプレイヤーが強くなることに対して文句を言うのが、愚かとしか言いようがないことであるように。
ただ、そういった場面に出くわした時、「ああいかにもパラメータを相手にしている遊戯だなぁ」という興ざめ感覚があるのもまた事実だ。
どんなに美しいグラフィックで描かれた異世界の驚異的な風景があろうと、異形でありながらリアルなモンスターが登場しようと、現実では不可能な技が炸裂しようと、私は不意に、「これは結局数字の移動に過ぎない」と気分が冷えていくのを感じる。
この幻滅に近い感覚は、似たようなものであるはずのテーブルトークのRPGではどんなに拙いマスタリングであろうと感じないことが多いし、また不思議なことにオフラインのゲームでは全くと言っていいほど感じない。その理由は、恐らく二者では微妙に異なっているだろうけれど。
全部をプレイなどしていないから偉そうなことは言えないことは承知の上であえてひとつだけ言うとしたら、現状のオンラインゲームはまだ、独自の面白さを生かしている訳ではないんだろうな、という感想である。チャットを伴う大規模なパラメータ変動の渦に還元しきれない「何か」、が私には感じられない。
それを求めているのが、ひょっとして世界に私しかいないとしたら……そんなことを悩むのは、それこそサッカーで「手が使えないからつまらない」とぼやくようなものかも知れないけれど。
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