惑星2006年08月25日

冥王星が「惑星」ではなくなる、というニュースが新聞の一面を飾り、SFファンやアニメファンを騒然とさせているようです。
かくいう私も、半端ながら星占いに興味を持つ人間なので、他人事ではないのですが……。
とは言え、星占いで使われる「惑星」にはもともと、太陽や月など、天文学的には惑星ではないものが混ざっている訳ですし、流派によっては小惑星セレスやキロン、また理論上のみ存在する実在が証明されていない惑星ヴァルカンなどを用いるようですから、占星術における「惑星」という言葉は天文学とは異なるものなのでしょう。

昔、「外惑星が発見させる前の占星術は、全てを内惑星のみで解釈していたのだから現在と占いの結果が異なるはずだけれど、どちらが正しいのか?」という疑問をどこかで見たような気がします。
けれど、外惑星が支配する要素は、新しい概念が多いですよね。たとえば天王星のヒューマニズムや人類愛、IT技術を始めとする先端科学。あるいは海王星の無意識(「無意識」の概念はフロイト学派の前には存在しなかったものです)。そして冥王星の、時代や世代のようなひとりの人間の寿命を越えたスパンの思想。
そういったことを考えると、人間が外惑星の支配する概念を必要としていなかった時代には外惑星は控えに回って姿を見せず、人類が新しい概念を得た時にその指標として人類の前に現れたのではないか、と思うのです。
(あるいは、「新しい概念を得たその時に、たまたま発見された外惑星にその概念を対応させた」という考え方でも構わない訳ですけれど)

冥王星は、再生と、見えないエネルギーを司る星。
学問上の分類に過ぎない定義付けとは関係なく、空をしずしずと歩みつつ、見えない力を注ぐのでしょう。
願わくは、冥王星を惑星から外すという行為が、冥王星の支配するエネルギーを人類が捨て去るサインになってしまわないように。
ラベルの問題とは関係なく、微かな星の声を聴くことが、これからもできますように。