原作2006年08月15日

今日はちょっとくだけた文体で。


なんか、ル・グインがゲド戦記の映画が、自分のイメージと違うと、大層お怒りの声明を出したとか。
しかし……
ジブリの原作付き映画はことごとく全て、原作を破壊(翻案)して創造されていることは、これまでの実績から明らかですからねぇ。カリオストロしかり、魔女の宅急便しかり、ハウルしかり。それが、彼らなりのリスペクトであることも確かでしょう。
(そのリスペクトの仕方が良いか悪いかはまた別の問題)
ル・グインは自分からジブリに映画製作を依頼したということですが、その情報が本当なら、その時点でこの事態は想像しておくべきだった、というのは酷な話ですかね。
まぁ、日本語の原作なんか大御所作家は読んでいられないでしょうが。

ジブリがかつて映画化を申し込んで断られ、それであきらめ、今になって先方から指名で依頼、そして宮崎駿は「今の自分には作れない」と断ったけれど、そこを何とかということで結局ジブリが製作することになった……
という話が本当なら、ジブリ側にしてみれば、紆余曲折あっててっぺんに登らされた挙げ句に、はしごを外されたみたいな気分じゃないかなぁ。
それを思っても、今回の声明というのは、誰も幸せにならない代物ではないかと、思ったりします。

人にイメージを託すというのは、厄介なものだね。特にこだわりがあると。「人に依頼する」ことの難しさっていうのは、依頼する時もされる時も、実感するものだけれど。