貪欲2005年07月27日

作品と人の間には運命の出会いというものがあるもので、佐藤さんにとって人生を変えるほどの素晴らしい本や映画や漫画やゲームが、鈴木さんにとってそうであるとは限りません(それどころか、大外れであることの方がまぁ多いでしょう)。
それを越えて「客観的な批評」がどこまでできるのか、またそれをすることにどのような意味があり、どのような限界があるのか、ということは、文芸批評に真剣に取り組む人が一生懸命考えていることです。私はそれは、自分のテーマとは思っていません。

それよりは、どんな作品であろうと、そこに何かの面白さや楽しさや癒しや、そういった「いい部分」を探す方が、私には重要なテーマです。
もちろん、ご多分にもれず、私も心が狭いもので、時々amazonに怒りの1つ星レビューなんか書いちゃったりする有様なのですが、やっぱりこういうネガティブな行為というのはやっていて自分の中にふくらみがありません。
コンテンツを得るために、それなりの代償を払っている訳なのですから、文句をつけるよりは、何が何でもここからプラスを引き出してやる!くらいの欲張りさで臨む方が、結局はいい結果を招くような気がします。

もっとも、それはかなりの気力と体力を要する作業で、「あーつまんなかった」と放り投げる方が、はるかに楽です。
気分が落ちこんでいて元気がない時の方が、批判的な話が増えるのは、こういう理屈なのかと思います。